研究課題/領域番号 |
19K20587
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
堀川 聡司 目白大学, 心理学部, 客員研究員 (60755940)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | トランスジェンダ― / 親子関係 / 中年期危機 / 精神分析 / ジェンダー論 |
研究実績の概要 |
本年度の研究実績は以下の通りである。 ①老年期のセクシュアリティに関する仏語文献の邦訳を刊行した(ブノワ・ヴェルドン著『こころの熟成―老いの精神分析』(白水社)。老いは自身のセクシュアリティ感の変容が迫られる経験である。本書第四章では、老年期を迎えた人が、身体の衰え、子との力関係の逆転などの変化を通じて、いかようにセクシュアリティ観が変容するかがつぶさに描写されている。老年期のセクシュアリティについては既に様々な見地から言及されてきた領域であるが、精神分析的な見地から人生全体の一部として語られることは少なくとも本邦では前例のないことであった。それはすなわち、老年期のセクシュアリティを単なる衰退や消失と捉えるのではなく、乳幼児期に端を発するセクシュアリティ体験の一貫として捉える視座である。トランスジェンダーの子のセクシュアリティと如何に対峙するかを考える本研究にとってもこの知見は非常に意義のあるものである。というのも、子のセクシュアリティがどうであれ、中年期~老年期とは自身のセクシュアリティ観の変容に迫られる時期であり、その理論的な土台の上で本研究も考察を加えていかねばならないからである。 ②①の翻訳書について、メルロ=ポンティ研究者の中澤瞳氏とオンラインでの対談を行った(塩飽海賊団「老いのこころとからだ」2022年3月18日)。その対談の中でトランスジェンダーの子を持つ親の心理面について現象学的な見地からの討議を行った。 ③本研究分野に明るい研究者とオンラインにて、情報共有することを努めた。その上で、本研究の実務的な実施法についてさらなる精緻化を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に引き続き、COVID-19の感染拡大に配慮し、予定通りのインタビュー調査の実施ができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
対面でのインタビュー調査は現実的ではないため、既に関係のある親の会の紹介によって、オンラインによる調査を実施してゆく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度はCOVID-19の影響で遠方へ調査研究に赴くこと、学会参加することがなかったため、実質的な支出は0となった。次年度は調査研究に係る諸経費を使用する予定である。
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