本研究は、中国系労働者が日本で働く際の雇用状況やキャリア形成について調査・分析することを目的としている。特に、中国系の高度労働者に焦点を当て、その雇用格差やキャリア意識における男女の比較を行う。そのため、昨年度の質的調査に続き、中国人の調査対象を特定したインタビュー内容を分析し、日本企業における外国人労働者の雇用格差、キャリア意識などさまざまな要素を検討した。雇用格差の把握: 中国系ニューカマー高度労働者の男女間で雇用格差が存在するかどうかを明らかにすることが目的である。雇用格差は、給与、昇進の機会、雇用形態などの要素で表現される。この研究は、男女の間で雇用条件に差異があるかどうかを分析し、その要因や背景を明らかにすることを目指した。また、キャリア意識の比較は、中国系ニューカマー高度労働者の男女間でキャリア意識に違いがあるかどうかを調査した。キャリア意識は、個人のキャリアの方向性や目標設定、スキルの獲得意欲などを指し、これによって将来のキャリアパスに影響を与える可能性がある。本研究は、男女の間でキャリア意識における差異があるかどうかを明らかにし、その要因や背景を理解することを目指した。さらに、社会的・文化的要素については、中国系労働者が日本で働く際には、社会的および文化的な要素が影響を与える可能性がある。本研究では、男女の雇用格差やキャリア意識の比較において、社会的・文化的要素がどのように関与しているかを検討した。例えば、言語の違い、職場環境、差別や偏見といった要素が考慮される。また、文化的背景や社会的制約などが影響を与える可能性も検討した。
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