量子井戸構造を有する有機無機ペロブスカイト型化合物は、量子サイズ効果由来の独特な発光特性により、放射線励起時に高強度で高速な発光を示すことが知られている。当該発光を利用することで、医療機器や放射光施設における分光測定等に使用可能なシンチレータを開発することが期待される。本研究では優れた発光特性を示す(C6H5C2H4NH3)2PbBr4の特性向上に向けて、異種金属元素の添加を行った。その結果、CdやZn、Sn、Niなどの異種金属元素を添加することによって、数ナノ秒の短い寿命を示しながら、発光量が14000からおよそ20000 photons/MeVまで向上することを突き止めた。
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