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2020 年度 実施状況報告書

災害時の画面表示における聴覚障害者に配慮したモーショングラフィックスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K20611
研究機関筑波技術大学

研究代表者

西岡 仁也  筑波技術大学, 産業技術学部, 助教 (40712013)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードデジタルサイネージ / モーショングラフィックス / ユニバーサルデザイン / 聴覚障害
研究実績の概要

2020年度は、聴覚障害者への読み取りやすさを配慮したモーショングラフィックスを用いた画面表示モデルを新たに作成した。作成したモデルは前年を踏襲した駅構内を想定した実験用モデルとし、表示する情報の量、言語、文字の大きさ、絵情報はデジタルサイネージ災害コンテンツガイドラインを踏まえて作成した。動きの内訳としてはフェードインフェードアウトを伴うもの、移動を伴うもの、点滅を伴うもの、動かないものの4種類とし、動きを与えた対象は、災害の種類、出口の番号、目的地の3種類とした。被験者にはそれぞれの組み合わせの内ランダムに5秒間表示する。モデルの数及び時間は被験者が画面内の位置関係を覚えて実験に影響が出ないよう重複したバリエーションを減らすため及び、目の疲れに配慮して決定した。前年得られたデータに対しより精緻なデータを得るために、バリエーション数を増やした。
加えて、動きの違いが認知特性に与える影響を明確化するために、フェードインフェードアウトを伴うもの、移動を伴うもの、点滅を伴うもの、動かないものといった要素のみを抜き出し、画面全体の大きな動きを含めて、速さや表示時間の段階を細分化したモデルを作成した。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に配慮し、大学の施設を使用して実験を実施する際の部屋の換気やソーシャルディスタンスを守った配置、県や大学の方針に準拠した感染予防対策を被験者に伝えるための記述など、コロナ禍において実験を執り行うための実施計画を見直した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響により学生を対象とした実験が実施できず、それに伴い実験用の機材の調達も見送った。
そのため、当該年度では実験で使用するモデルの作成および2021年度以降の実験方法も含めた計画の見直しにとどまり本研究はやや遅れが生じている。2021年度は2020年度に実施できなかった実験を実施し、目前のモニタに集中できる場合と、環境の一部としてモニタがある場合の動きの影響の差異を検証し、メディアの違いおよび動き方の違いによる認知傾向について明らかにする。

今後の研究の推進方策

2021年度は2020年度に作成した実験のためのモデルを用いて大画面を対象としたデジタルサイネージおよび、スマートフォンなどの手元メディアを用いたインタラクティブなモデルを用いて、実験を実施する。
評価の方法はデジタルサイネージと同様に読み取り内容を確認するアンケート課題、注視点計測および主観による評価のほか時間計測やストレス調査を行い質的、量的な面から画面内の動きと情報伝達の相関および、動きによる心地よさと不快さの境界を明らかにする。これらから得られた知見をもとに学会発表、学術論文の執筆を予定している。
新型コロナウイルス感染症の状況により大学の施設の利用や学生を対象とした実験の実施が難しい場合も考えられるが、感染拡大防止に配慮し国や県、大学の方針に準拠し、実験で使用する部屋の換気し、ソーシャルディスタンスを守り、被験者の負担にならないよう適切な予防対策を施した上で可能な範囲で実験を執り行う。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の影響により大学の施設を使用して学生を対象とした実験を行うことが難しくなったため、購入予定だった視線計測用機材を調達せず、学会発表及び取材のための旅費および、その他経費を使用しなかったため次年度使用額が生じた。
2021年度は実験用機材の調達および謝金、その他の経費を使用する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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