音の大きさの評価には男女差が存在する要因として,(1)言葉による音の大きさの判断基準の男女差と(2)音圧と感覚量の対応関係 (ラウドネス) における男女差,(3)文化的背景の影響の3点に着目して検討を続けてきた。(2)および(3)の要因に着目した実験から,いずれの影響も明確ではないことが分かった。(1)および(2)に関してより検討を深めるために,評価条件を変更し実験を行ったが,(2)の音圧と感覚量の対応関係における男女差は明確ではなかった。これらのことから, (1)の言葉による音の大きさの判断基準の男女差が音の大きさの評価における男女差が生じる要因として強く影響する可能性がある。
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