研究課題/領域番号 |
19K20613
|
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
安井 希子 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (80607896)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 接近通報音 / 次世代自動車 / 認知容易性 / 認知可能距離 / 準周期的な変動 |
研究実績の概要 |
安心・安全な環境を提供できる接近通報音の評価基準の確立に向けた取り組みとして,国内外における評価基準の最新状況を調査した.その結果,米国とそれ以外で法規の動向が異なっており,求められる音圧レベルや周波数特性などに違いがみられた.また,評価時の暗騒音の補正方法も異なっており,どちらの法規もカバーできるようにデザインをしなければならないことが確認された. 昨年度の研究実績より,屋外実験を再現した屋内実験の環境構築のために,屋外実験のデータ拡充や改善した評価実験の必要性が示された.しかし,新型コロナウィルス感染拡大のため,ヒトによる評価実験や多数の人を集めた屋外実験の実施が困難になってしまい,シミュレーション環境の構築改善がほとんど進まなかった. そこで,現在,取得している,認知距離の測定実験結果を用いて接近通報音の評価システム開発を試みた.具体的には,Pythonを用いて音響信号から特徴量を抽出し,ランダムフォレストを用いて認知距離を学習させて評価モデルの構築を行った.その結果,クローズでストであれば精度が高かったが,交差検証を用いて学習時に用いていないデータに対する制度を評価した結果,著しく低い結果となってしまった. 以上の結果より,学習データ不足が問題であり,シミュレーション環境の改善が大至急必要であり,米国運輸省のNHTSAがNNPRM(Notice of Proposed Rulemaking)で規定している接近通報音評価用の騒音を暗騒音として再実験を行って認知距離の学習データ拡充を目指す.そして,その学習データを用いて評価モデルの改善を行う予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染拡大のため,屋外での計測や屋内での評価実験の実施が著しく困難になり,データの拡充が行えなかった.防音室内では,密になったり,換気扇を回すことで評価に影響を及ぼすことになったり,様々な障害があった.
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染拡大のために評価実験が全くできなかったので,予定よりも遅れてしまったが,感染対策マニュアルが作られたため,それに基づいて評価実験を行うことで,認知容易性に対する評価手法確立のための教師データを収集する.そして,学習アルゴリズムの検討を行う予定である.
|