研究課題/領域番号 |
19K20622
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
富田 誠 東海大学, 教養学部, 准教授 (50631826)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 視覚的対話 / 科学技術コミュニケーション / 学際的研究 |
研究実績の概要 |
2020年度は新型コロナウィルス感染症の流行のため、本研究の主要な開発成果であるワークショップ(以下、WS)の開催が困難となった。予定していた研究の進め方に影響を受けたが感染症流行下においても進められる研究をおこなった。まず、学際的研究に関する文献調査を進めた。特に、海外文献を中心に学際的研究の分類や超学際研究(トランスディシプリナリ研究)の成り立ち、研究の協働における課題などを整理した。これらの調査は本研究の背景部分に該当するものである。 次に、WSの特徴である創造的連携の理論モデルの構築を目指し、会話分析などを専門とする研究者との交流や勉強会の参加を通じてWSを精緻に分析する手法や研究知を得ることができた。具体的には、話者交代システムや指さし、基盤化などがあげられる。これらは、デザインカンファレンス2020にて発表した。 さらに、本研究課題の応用的な研究成果として、遺伝学的検査における医療スタッフと患者のコミュニケーションを支援する視覚的対話ツールの開発に関する研究発表や、企業のビジョンデザインにおける視覚的対話の実践事例に関する研究発表をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の計画は以下の4つの工程に分けられる。「1. 視覚的対話の手法に関する調査研究」「2. 研究者および研究支援者に対する調査研究」「3. 視覚的対話WSの設計と開発」「4.プログラムの実施検証及び公開 」。このうち「1. 視覚的対話の手法に関する調査研究」に関しては2019年度におおよそ完了した。 「2. 研究者および研究支援者に対する調査研究」に関しては、これまで少人数の研究者及び研究支援者のヒアリングを行なってきた。その後、ウェブアンケートなどを用いた量的な調査を行う予定であったが、2020年度は感染症対策で研究者同士の対面での会議が大きく減少し、研究交流や会議の手法が大きく変容したことから調査実施を見送り、文献調査をおこなった。 「3. 視覚的対話WSの設計と開発」は2019年度に計画よりも早くに進め、設計及び開発の多くを進めることができているが、2020年度は感染症下でWSの開催が困難となったことから、改善したWSの開発はまだおこなっていない。 「4.プログラムの実施検証及び公開 」はまだ終えていないため、最終年度の計画として行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は前述した「2. 研究者および研究支援者に対する調査研究」におけるアンケートの実施と評価、またWSプログラムを改善した上で「4.プログラムの実施検証及び公開 」を実施予定である。具体的には、プログラムの実施検証と改善、プログラム書の制作と公開を予定している。また研究の最終年度であるため、研究成果の取りまとめを行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の流行によりWSの実施が困難となり出費が減ったため。また、学会開催や研究者との研究交流がオンライン化され、旅費が減額されたため。次年度に感染症の流行が収まった場合、WSの実施や出張などで使用予定である。
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