[2022年度の成果]オンライン、オフライン共に研究者向けのワークショップ(以下、WS)を複数実施し、WSの分析やインタビューなどを通じて、視覚的対話の手法とその意義を明らかにした。加えて、WSのプログラムやその事例をWebサイトに公開した。
[研究期間全体の成果]本研究の目的は研究者自身が研究内容を図解し、それらを用いながら対話 し、創造的に連携することを支援する「視覚的対話」の実現することであり、以下の4つの工程から進められた。<1. 視覚的対話の手法に関する調査研究>については、既往する視覚的な対話手法を文献調査によって比較研究し論文化した。<2.研究者および研究支援者に対する調査研究>については学際的研究に関する文献調査に加え、複数の大学の研究者および研究支援者にインタビュー調査をした。<3.視覚的対話WSの設計と開発>については、計画時に予定していた投影図を用いたWSに加え、手に触れるモノを使った視覚化WSのプログラムを開発した。<4.プログラムの実施検証及び公開>については、被験者を募集してプログラムを実施検証したほか、ウェブサイトにWSプログラムを公開した。
なお、4年間の研究期間中の約3年間がコロナ禍で対面型WSの実施がスムーズに行えなかったことは、研究遂行に影響を与えた。しかしながら、オンライン形式のWS手法に取り組めたほか研究者の内発的動機の交換に焦点を当てたWSなど計画時に想定しえなかった視点で研究を深められた。加えて、研究者だけでなく、市民参加の街づくりWSや、医療従事者や子どもを対象とした当事者研究WS、企業における共創WSにおいて視覚的対話を用いることができた。本研究の手法は研究者だけでなく、異なる知識や思考をもった人々の対話や協働の場にも展開できることが確認でき、本手法の応用可能性を見出すことができた。
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