研究課題/領域番号 |
19K20625
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
常川 真央 国立情報学研究所, オープンサイエンス基盤研究センター, 特任助教 (20592869)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | シビックテック / 研究データ / オープンデータ / 市民科学 / 学習科学 |
研究実績の概要 |
本研究では、シビックテックによるオープンデータ活用スキル獲得の過程を分析し、適切な支援のあり方を解明することを目的とする。シビックテックとは、市民がICT技術によって社会問題を解決するコミュニティの一種である。学術研究機関は、公開した研究データがシビックテックによって活用されることを期待している。しかし、研究データの活用には高度な技術知識が必要である。そこで本研究では、シビックテックなどオープンデータの利害関係者に対する質的調査を行い、市民のためのオープンデータ活用支援サービスの開発を試みる。 令和元年度では、シビックテックに関する文献調査とフィールドワーク調査を中心に実施した。具体的には、国内最大規模のシビックテックイベントである Code for Japan Summit 2019に情報収集を目的として参加した。その他、図書館等の文教施設に関するシビックテックイベントである Code4Lib JAPAN Conference 2019に情報収集およびコミュニティのあり方に関する意見交換を目的として参加した。加えて、地域性の高いシビックテックの活動に参画し情報収集を行った。 本年度では、同時にインタビュー調査の計画および準備を進めた。その後、予備的な訪問調査を実施する予定であった。しかし、所属の変更により必要な研究設備を調達するとともに、研究倫理審査などの手続きに時間がかかったため、当初より調査のスケジュールが遅れた。加えて、COVID-19の感染拡大の影響により調査を今年度中に行うことが困難になったため、研究計画を変更せざるを得なくなった。 今後は、オンラインによるインタビュー調査を視野にいれて研究計画を修正し、調査活動を実施する予定である。また、COVID-19に関係するシビックテック活動について重点的に調査することも検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属の変更により必要な研究設備を調達するとともに、研究倫理審査などの手続きに時間がかかったため、当初より調査のスケジュールの変更が必要となった。また、シビックテックコミュニティにおける研究データ利活用の学習事例収集を試みたところ、期待した事例が収集できず、訪問調査先の選定方針やその他の研究アプローチの修正が必要となったため。加えて、年度末にはインタビュー調査の実施を計画していたところ、新型コロナウィルスの影響により調査の実施が困難となった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、オンラインによるインタビュー調査を視野にいれて研究計画を修正し、調査活動を実施する予定である。また、COVID-19に関係するシビックテック活動について重点的に調査することも検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に実施予定の訪問調査が新型コロナウィルスの影響により中止をせざるを得なくなり、旅費および調査協力者への謝金の支出が困難になったため、次年度使用額が生じた。 次年度は、リモートでの訪問調査を実施するための機材の調達や、ウェブアンケートによる調査の実施など、新型コロナウィルスの影響を踏まえた調査方法の変更に対応するために助成金を使用する予定である。また、2021年度の実施を予定していたシステム開発について、先行して実施するための環境整備として、サーバーの調達なども計画している。
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