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2021 年度 実施状況報告書

『源氏物語』の計量的な文体研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K20627
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

土山 玄  お茶の水女子大学, 文理融合 AI・データサイエンスセンター, 特任講師 (00755390)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード計量文献学 / テキストマイニング / デジタルヒューマニティーズ / 文化情報学 / 計量国語学
研究実績の概要

『源氏物語』には作者問題というものがあり、これは『源氏物語』の第三部と称される最終13巻(匂宮三帖と宇治十帖)の作者が紫式部ではないとする説である。この問題について、『源氏物語』にあらわれる単語の出現率などを特徴量として、主成分分析や機械学習の手法を用いて分析を行った。その結果、計量的な判断に基づくのであれば、宇治十帖と匂宮三帖のどちらにおいても、他作者説を支持する積極的な根拠は認められず、他の諸巻と作者が同一である可能性が高いことを明らかにした。これらの研究業績については『文学と言語コーパスのマイニング』(岩波書店, 2021)に取りまとめ報告した。
また、『源氏物語』は成立過程についてもいくつかの見解がある。これは『源氏物語』の54巻が現在の巻序とは異なる順序で成立したとするものである。この問題を解明するために、まず執筆順序が明らかであると考えられる近現代の小説を採り上げ分析を行った。その結果、文体的特徴の出現傾向の変化から出版年を予測するモデルを構築することが可能であることを明らかにした。これについては2022年度に論文として発表する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍により2020年度にお茶の水女子大学への入構が禁止されている期間があった。これが今年度の研究の進捗にも影響を及ぼした。

今後の研究の推進方策

2021年度までの研究成果をまとめた論文を投稿する予定である。また、『源氏物語』の成立過程についての計量的な分析を継続し、その結果を学会等で発表した後、論文として投稿する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により、参加を予定していたすべての学会の開催方式がオンラインとなり、宿泊費および旅費として使用することを計画していた経費の支出がなくなったため、次年度使用額が生じた。繰越金は2022年度に予定している論文投稿に関わる費用として使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 言語統計学入門(2)—統計的尺度と言語データ—2021

    • 著者名/発表者名
      土山玄
    • 雑誌名

      計量国語学

      巻: 33(2) ページ: 100-109

  • [学会発表] 文学作品のテキストデータを対象としたデータ分析2021

    • 著者名/発表者名
      土山玄
    • 学会等名
      シンポジウム「人文・社会科学研究におけるデータサイエンス」
    • 招待講演
  • [図書] 文学と言語コーパスのマイニング2021

    • 著者名/発表者名
      金 明哲、中村 靖子、上阪 彩香、土山 玄、孫 昊、劉 雪琴、李 広微、入江 さやか
    • 総ページ数
      248
    • 出版者
      岩波書店
    • ISBN
      9784000299022

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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