研究課題
若手研究
外界は時間的・空間的な構造を有している。その統計的な性質を利用することにより、効率的な情報処理が可能になる。本研究では、繰り返し呈示される空間配置の学習過程(文脈手がかり効果)のモデル化と時空間的な情報統合(系列依存性)に用いられる座標系の検討を行った。画像から大域的な特徴を抽出し、探索対象の位置との関係を学習するモデルを提案した。繰り返される情報によって学習速度が異なることを再現できた。心理物理実験によって、系列依存性は網膜上での位置(網膜座標系)に基づいて生じることを示した。
認知科学
空間配置の学習モデルは文字配置を扱うものは提案されていたが、自然光景に対する学習を扱うことのできるモデルはこれまで提案されていなかった。自然光景に対する学習過程をモデル化することは、光景の情報処理と効率的な行動の関係を理解することにつながる。また、どのような情報を学習し、行動に利用しているのかを明らかにすることは、製品デザイン等の設計指針に関する基礎的な知見を提供する。