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2020 年度 実施状況報告書

他者による自己の身体感覚の変容

研究課題

研究課題/領域番号 19K20651
研究機関名古屋大学

研究代表者

磯村 朋子  名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (20771926)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード社会相互作用 / 内受容感覚 / 視線
研究実績の概要

私たちが自己の身体状態を認識する際、感覚入力は自己の身体内部や表面の受容器になされるにも関わらず、その知覚はしばしば他者との相互作用に基づいて形成される。本研究は、他者との相互作用がもたらす内受容感覚(身体内部の生理状態に関する感覚)の変容について、その現象と機序を明らかにすることを目的とする。
本年度は、昨年度に引き続き、他者との視覚体験の共有が自己の内受容感覚の精度に与える影響の検討を行った。二人の参加者に同時に実験に参加してもらい、向かい合って座ってもらった。各参加者にはノートPCを用いて身体を生理的に喚起するような画像(例:蛇)を提示した。その際、二人の参加者に同じ画像が提示される条件と、異なる画像が提示される条件を用意した。各参加者には画像を見た後に身体がどの程度覚醒したかを主観的に評定してもらい、その際の実際の生理的覚醒の程度を皮膚電気反応によって計測した。昨年度中にデータ収集が終了していたので、本年度はデータの分析を行った。その結果、他者と視覚体験を共有する際、共有しない場合に比べて、主観的評定と客観的(生理的)覚醒の間の相関が強くなること、すなわち内受容感覚の精度が向上することがわかった。本結果はいくつかのシンポジウムやワークショップにて発表したほか、国際学術誌に投稿すべく現在論文にまとめている段階である。
また、今後実施予定である社会相互作用時の脳活動計測の研究に関して現在共同研究者らと共に準備をすすめている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で予定していた実験を実施することができなかったが、初年度に予定以上の進展があったため、現時点では総じて当初の計画通りに進められている。

今後の研究の推進方策

まず、本年度得られた結果を論文にまとめて国際学術誌にて発表することを目指す。また、他者からの視線が内受容感覚にもたらす変容について、運動と心拍位相の観点から研究を進めていく他、社会相互作用時の脳活動と視線の二者同時計測の研究に着手する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、予定していた実験を実施できなかったため、それにかかる物品購入を見送った。次年度は、繰越された予算と当初から請求していた予算を合わせ、生体計測装置を購入する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)

  • [雑誌論文] 表情同調の現象,機序,発達過程2021

    • 著者名/発表者名
      磯村 朋子
    • 雑誌名

      エモーション・スタディーズ

      巻: 6 ページ: 37~43

    • DOI

      10.20797/ems.6.1_37

    • 査読あり
  • [学会発表] 内受容感覚から考える社会認知科学2021

    • 著者名/発表者名
      磯村朋子
    • 学会等名
      多摩知覚研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 他者の存在が自己身体認知に及ぼす影響2021

    • 著者名/発表者名
      磯村朋子
    • 学会等名
      感情コミュニケーション研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] Social modulation of bodily self-awareness2020

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Isomura
    • 学会等名
      Dyadic interactions in a comparative perspective
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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