免疫システムの作用機序を理解し、制御する手法の開発は医学・医療において極めて重要な課題であり、培養モデル構築は非常に有用なツールとなる。生体の免疫システムには複数の要因が関与しているため、培養モデルの構築は容易ではない。本研究では、生体の免疫応答を再現した培養モデルシステムの構築を目指し研究に着手した。まず最大の免疫器官である腸管に着目し、多孔質膜を中心にして上下に流路を有するマイクロ流体デバイスを用いることで、腸内細菌モデルである大腸菌DH5αとの共培養を実現した。腸の生理機能に重要な役割を果たすマクロファージの導入により、大腸との相互作用が確認され、生体の腸内環境に近いモデルが構築できた。
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