研究課題/領域番号 |
19K20661
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
吉村 裕一郎 富山大学, 学術研究部医学系, 特命助教 (90826471)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 医工学 |
研究実績の概要 |
本研究は,救急医療現場における診断支援の為,CT画像より『外傷性出血部位』を,画像診断技術により自動検出するシステムを作製することである. 本年度は昨年度に引き続き,深層学習や画像処理技術を応用した,出血部位の自動検出手法について検討を進めた.また完全自動化に至るまでの道筋において必要な,医師による読影支援ツールの開発,アノテーションデータ作製支援ツールの開発について,他プロジェクト,企業との連携をしつつではあるが,アプリケーション自体の開発が進んでいる.学術的には,深層学習をメインとした手法と,古典的画像処理技術をメインとした2種類の異なる手法を引き続き検討しており,いずれの手法についても,提案アルゴリズムによって生じていた過検出を抑制する方法を検討し,進捗を得た.更に一部については論文化を達成している. 一方で,新型コロナの影響等により,臨床データの収集については,医療データであることからも,その収集作業自体が一部難しい状況にある.感染状況等を確認しつつ,収集作業を進めることは引き続き検討を行うが,昨今の情勢や,連携先が救急科であることからも,データの収集,アノテーション作業の進捗については,当初の見込みより控えめとなった. 手元のデータセットを拡張することによる,提案手法の普遍性の向上・確認は,次年度も難しいことが想定されるものの,現状のデータセットによって,今後も研究を進捗していく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
具体的な研究成果として,学会発表や論文化を達成しており,研究プロジェクト自体は概ね順調に進行している. 昨年度末に課題としたアノテーションデータについて,臨床データの収集については,研究実績にも記載した通り,昨今の情勢により,協力施設ごと,データの蓄積は進んではいるものの,医療データのために,直接の受け取りが必要であり,それが完了していないものもある. アノテーションデータ作製に必要なアプリケーションの開発は進行しており,実際に活用が進むことが期待される.
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き,可能な限り臨床データの収集を進めていくと共に,工学的研究についても,実際の臨床現場で活用できるよう価値を高めていく.具体的には高速化の実現や過検出の抑制,精度の向上について引き続き検討を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの影響により旅費の執行が難しいことから,区分の見直しを行うため
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