研究課題/領域番号 |
19K20663
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
波田野 明日可 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (20707202)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 心筋細胞 / 機械学習 / Image based modeling / 有限要素法 / マルチフィジックス解析 |
研究成果の概要 |
正常マウスとMuscle Lim Proteinノックアウト(MLPKO)マウスの心筋細胞の3次元電子顕微鏡画像に対し,機械学習を用いて自動形状抽出に成功した.さらにシミュレーション可能なメッシュとする手法を確立した. 正常マウスとMLPKOマウス両方について,マウス心筋細胞の実形状を反映した形状モデルを用いて力学電気生理連成解析を行い,膜電位やCa動態といった電気生理現象や,収縮現象の再現,比較を行った.MLPKOマウスでは凝集したミトコンドリアの存在により拡散現象が阻害され,Ca2+濃度空間勾配が正常マウスよりも大きくり,収縮力に偏りが生じ,効率が低下することが示された.
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自由記述の分野 |
生体のマルチフィジックス解析
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では心筋細胞の電子顕微鏡画像から機械学習を用いて形状を抽出し、解析可能なメッシュを構築することに成功した。学術的には、近年広がりを見せる画像ベースの解析の中で常に課題となる、メッシュ構築の困難さを克服する一つの手法を示すことができた。また心筋細胞における電気・生理・力学連成現象を実形状の中で再現したのは本研究が初めてである。正常マウスと構造タンパクのノックアウトマウスの比較においては、病理状態で頻繁に観察されるミトコンドリア凝集が収縮力低下につながるメカニズムを解明し、心筋細胞の病理状態解明に貢献した。
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