本研究において、マイクロ流体デバイスを用いて、複数の細胞種を同時に空間制御してカプセル化したマルチコアーシェル型の細胞ファイバーを開発した。このファイバーを用いて血管内皮細胞と肝細胞をカプセル化した肝組織モデルを構築することができた。さらにヒトiPS細胞由来膵島をカプセル化したマルチコア-シェル型細胞ファイバーを作製し、それを糖尿病モデルマウスへ移植し血糖値制御ができた。通常、移植片のサイズが大きくなると細胞に対する酸素や栄養供給の問題から移植片として機能を保つことが難しいが、シェルの近傍に細胞を配置できるマルチコア-シェル型細胞ファイバーでは十分な機能を保つことができた。
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