研究課題
乳癌術後リンパ浮腫発症を予見・予防し、リンパ浮腫治療手技を科学的に評価し改良開発へ役立てるために下記研究を計画した。ICG蛍光造影シス テムを用いて画像で視覚的に確認することにより、(Ⅰ)上肢のリンパ流路と流出していくリンパ節領域のマッピング (ARM; Axillary reverse mapping)を用いて術後リンパ浮腫発症のハイリスク患者を術前に同定すること、(II)リンパ浮腫に対する用手的リンパドレナージ (MLD)手技の適正さを科学的に評価して探索・改良を行い、 早期治療によりリンパ浮腫増悪を予防すること、(III)乳癌手術における腋窩操作時に、ARMをリアルタイムに確認しリンパ流障害の予防に役立てること、である。上肢リンパ流路の視覚的探索のために、リンパ流路を同定するためのICG蛍光法や画像解析に必要なシステム作りの準備をおこなった。また、リンパ浮腫に対する用手的リンパドレナージ (MLD)手技のセラピスト5名と共同研究チームをつくり、手技の適正さを科学的に評価するための体制を整えた。また、乳癌術後リンパ浮腫の現況や手技の工夫などの情報収拾も行なった。臨床研究法に則った、研究計画書作成、各種申請書を作成した。乳癌術後患者を対象としたICG蛍光造影法による、(1)上肢のリンパ流路と流出していくリンパ節領域のマッピング (ARM;Axillary reverse mapping)、(2)用手的リンパドレナージ (MLD)の数値化・計測評価、(3)MLDによるリンパ路誘導の視覚的探索、を行う。
3: やや遅れている
コロナウイルス感染症蔓延のため、計画通りに研究が進まなかった。臨床研究法に基づく研究計画書の作成および承認審査に遅延が生じた。
乳癌手術患者を対象にした臨床研究法に基づく研究計画の承認を得て、(1)上肢のリンパ流路と流出していくリンパ節領域のマッピング、(2)用手的リンパドレナージ (MLD)の数値化・計測評価、(3)MLDによるリンパ路誘導の視覚的探索、を含めた、(4)上肢リンパ流と乳房からのリンパ流の合流とリンパ浮腫発症との関連、(5)術後リンパ浮腫発症者でのMLDによるリンパ流変化に基づいた手技、への探索をおこなっていく。
研究がやや遅延したため、必要物品購入を次年度に持ち越すことになった。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
滋賀医科大学雑誌
巻: 34 ページ: 1-4
10.14999/1521.00012658
Breast Dis.
巻: 38 ページ: 57-65
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