研究課題
世界的に肥満患者が増加し、非アルコール性脂肪性肝疾患/肝炎(NAFLD/NASH)を原因とする肝硬変症、さらには肝細胞癌患者も増加している状況で、NAFLD/NASHの病態を正確に診断し得る磁気共鳴代謝イメージング装置(DNP-MRI装置)の開発と、NAFLD/NASHの病態進行機序を解明する事を目的に本研究を行っている。前年度までに、ヒト肝組織に対するDNPーMRI装置を使用したプローブ消退率を定量化するための測定条件の設定、当院で施行した肥満手術症例を対象とし、NAFLD/NASH患者および正常肝患者より提供して頂いた肝組織を用い、プローブの消退率等の測定を継続して行った。2020年度は、既にNAFLD/NASHの病態進行と相関があると報告されている術前の画像診断および採血結果による評価と、磁気共鳴代謝イメージング装置(DNP-MRI装置)による評価との比較検討を行った。自験例では磁気共鳴代謝イメージング装置(DNP-MRI装置)による評価が、NAFLD/NASHの病態進行を良好に評価し得る事が明らかとなった。磁気共鳴代謝イメージング装置(DNP-MRI装置)による評価は、ミトコンドリア機能を評価している可能性があり、今後は原理の解明を中心に行っていく予定である。
3: やや遅れている
コロナウイルスの感染拡大のため、当院における良性疾患に対する手術が減っている状況が持続しており、ヒト肝組織の提供が遅れている状況下にあるため
2021年では病理組織評価およびミトコンドリアの機能評価を行い、磁気共鳴代謝イメージング装置(DNP-MRI装置)による評価がミトコンドリア機能を評価し得ているのかを解明し、報告する予定である。また、メタボローム解析も行うことにより、NAFLD/NASHの病態進行と関係のある新たなバイオマーカーの探索を継続して行っていく。
コロナ禍により手術件数が減少したため、目的とする肝臓組織の採取が計画通りに進行しなかったため、次年度に使用することとなった。計画は遅れたものの、当初目的とした症例数は集まっている。2021年度には、解析のために必要な試薬および機器の購入のため、また成果報告のために必要な経費を計上予定である。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (20件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (3件) 図書 (2件)
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