分子病態を非侵襲的に可視・数値化し、治療へ応用可能な新たな医療画像システムの開発

2021 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 19K20676
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 長尾 吉泰 九州大学, 大学病院, 助教 (70608968)
• 研究期間 (年度): 2019-04-01 – 2022-03-31
• キーワード: NASH / 非アルコール性脂肪性肝炎 / ミトコンドリア機能 / 代謝機能イメージング

研究実績の概要

世界的に肥満患者が増加し、非アルコール性脂肪性肝疾患/肝炎（NAFLD/NASH）を原因とする肝硬変症、さらには肝細胞癌患者も増加している状況で、NAFLD/NASHの病態を正確に診断し得る磁気共鳴代謝イメージング装置（DNP－MRI装置）の開発と、NAFLD/NASHの病態進行機序を解明する事を目的に本研究を行っている。
前年度までに、ヒト肝組織に対するDNPーMRI装置を使用したプローブ消退率を定量化するための測定条件の設定、当院で施行した肥満手術症例を対象とし、NAFLD/NASH患者および正常肝患者より提供して頂いた肝組織を用い、プローブの消退率等の測定を継続して行った。
2020年度は、既にNAFLD/NASHの病態進行と相関があると報告されている術前の画像診断および採血結果による評価と、磁気共鳴代謝イメージング装置（DNP－MRI装置）による評価との比較検討を行った。自験例では磁気共鳴代謝イメージング装置（DNP－MRI装置）による評価が、NAFLD/NASHの病態進行を良好に評価し得る事が明らかとなった。
2021年度は、磁気共鳴代謝イメージング装置（DNP－MRI装置）による評価が、ミトコンドリア機能を評価している可能性が明らかとなった。

研究成果

• [雑誌論文] Wireless Light-emitting Marker Using Magnetic Field Resonance for Laparoscopic Gastrointestinal Surgery (2021)
  • 著者名/発表者名: Sugiyama Masahiko、Nagao Yoshihiro、et al.
  • 雑誌名: Surgical Laparoscopy, Endoscopy & Percutaneous Techniques 巻: 31 ページ: 778～781
  • DOI: 10.1097/SLE.0000000000000929
  • 査読あり
• [雑誌論文] Prognostic significance of systemic inflammation score in patients who undergo hepatic resection for hepatocellular carcinoma (2021)
  • 著者名/発表者名: Inokuchi Shoichi、Nagao Yoshihiro、et al.
  • 雑誌名: Langenbeck's Archives of Surgery 巻: 406 ページ: 773～779
  • DOI: 10.1007/s00423-021-02103-1
  • 査読あり
• [雑誌論文] A Novel Strategy of Endoscopic Ultrasonography-Guided Pancreatic Duct Drainage for Pancreatic Fistula After Pancreaticoduodenectomy (2021)
  • 著者名/発表者名: Toshima Takeo、Nagao Yoshihiro、et al.
  • 雑誌名: Pancreas 巻: 50 ページ: e21～e22
  • DOI: 10.1097/MPA.0000000000001729
  • 査読あり
• [雑誌論文] Surgically resected hepatic mass caused by fascioliasis (2021)
  • 著者名/発表者名: Wang Huanlin、Nagao Yoshihiro、et al.
  • 雑誌名: Clinical Journal of Gastroenterology 巻: 14 ページ: 662～667
  • DOI: 10.1007/s12328-021-01339-0
  • 査読あり
• [雑誌論文] Late recurrence of cancer stem cell-positive colorectal cancer liver metastases after 15?years (2021)
  • 著者名/発表者名: Nagano Taichi、Nagao Yoshihiro、et al.
  • 雑誌名: Clinical Journal of Gastroenterology 巻: 14 ページ: 613～616
  • DOI: 10.1007/s12328-020-01330-1
  • 査読あり
• [学会発表] 生体肝移植術後の腹壁瘢痕ヘルニアに対する検討 (2021)
  • 著者名/発表者名: 長尾 吉泰、吉住 朋晴、森永 哲成、伊勢田 憲史、冨山 貴央、湯川 恭平、 井口 詔一、小斉 侑希子、吉屋 匠平、武石 一樹、戸島 剛男、伊藤 心二、 原田 昇、池上 徹、赤星 朋比古、森 正樹
  • 学会等名: 第32回肝胆膵外科学会
• [学会発表] metabolic syndromeに対する外科治療の現状と展開 (2021)
  • 著者名/発表者名: 長尾吉泰、吉住朋晴、原田 昇、伊藤心二、戸島剛男、王 歓林、 栗原 健、島垣智成、冨山貴央、森永哲成、伊勢田憲史、武石一樹、井口友宏、萱島寛人、二宮瑞樹、前田貴司、森 正樹
  • 学会等名: 第121回 日本外科学会定期学術集会
• [学会発表] 腹腔鏡下スリーブ状胃切除術における術後食道裂孔ヘルニアの現状と対策 (2021)
  • 著者名/発表者名: 長尾吉泰、吉住朋晴、島垣智成、王 歓林、栗原 健、戸島剛男、伊藤心二、 原田 昇、赤星朋比古、森 正樹
  • 学会等名: 第76回 日本消化器外科学会総会
• [学会発表] 術前脾臓摘出術および部分的脾動脈塞栓術が生体肝移植術に及ぼす影響 (2021)
  • 著者名/発表者名: 長尾 吉泰、冨山 貴央、森永 哲成、利田 賢哉、小斉 侑希子、 冨野 高広、栗原 健、森田 和豊、伊藤 心二、原田 昇、 赤星 朋比古、吉住 朋晴
  • 学会等名: 第28回 日本門脈圧亢進症学会
• [学会発表] 門脈圧亢進症に対する外科治療 (2021)
  • 著者名/発表者名: 長尾 吉泰
  • 学会等名: 第28回 日本門脈圧亢進症学会
  • 招待講演
• [学会発表] 術前脾臓摘出術および部分的脾動脈塞栓術が生体肝移植術に及ぼす影響 (2021)
  • 著者名/発表者名: 長尾 吉泰、冨山 貴央、森永 哲成、利田 賢哉、小斉 侑希子、 冨野 高広、栗原 健、森田 和豊、伊藤 心二、原田 昇、吉住 朋晴
  • 学会等名: 第57回 日本移植学会
• [学会発表] スリーブ状胃切除術の幽門輪からの切離開始距離 (2021)
  • 著者名/発表者名: 長尾 吉泰、冨山 貴央、森永 哲成、利田 賢哉、小斉 侑希子、 冨野 高広、栗原 健、森田 和豊、伊藤 心二、原田 昇、吉住 朋晴
  • 学会等名: 第14回日本内視鏡下肥満・糖尿病外科研究会
  • 招待講演
• [図書] 消化器内視鏡外科手術トラブルシューティング [Web動画付] (2021)
  • 著者名/発表者名: （分担執筆）長尾 吉泰, 原田 昇，吉住 朋晴，森 正樹
  • 総ページ数: 192（p78-81）
  • 出版者: 医学書院
  • ISBN: 978-4-260-04576-6
• [図書] 臨床外科 肥満外科A to Z 肥満外科治療の治療困難例への対応 (2021)
  • 著者名/発表者名: 長尾吉泰，吉住朋晴，沖英次，森正樹，江藤 正俊
  • 総ページ数: p479-487
  • 出版者: 医学書院
• [図書] 消化器外科 2021-5 特集 術後合併症管理を極める「腹腔鏡下脾臓摘出術」 (2021)
  • 著者名/発表者名: 長尾吉泰，吉住朋晴，島垣智成，王歓林，栗原健，戸島剛男，伊藤心二，原田昇，赤星朋比古，森正樹
  • 総ページ数: p559～567
  • 出版者: へるす出版
• [図書] 「手術」消化器・一般外科領域の手術教育を考える、４ VRシミュレーターによる手術トレーニング (2021)
  • 著者名/発表者名: 長尾吉泰，江藤 正俊
  • 総ページ数: p25-29
  • 出版者: 金原出版株式会社