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2019 年度 実施状況報告書

fMRI同時計測によるfNIRSデータからの高精度な脳賦活抽出法の開発と実証

研究課題

研究課題/領域番号 19K20688
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

岩野 孝之  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (80415645)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードfNIRS / アーチファクト / fMRI / 同時計測 / 息止め / バルサルバ法 / 呼吸 / 表情筋
研究実績の概要

fNIRSによる高精度な脳機能計測が実現すれば、fMRIやPETでは計測することのできない様々な実生活環境下での脳機能計測が可能となるが、現状では頭皮の血流変化やプローブの揺動によるアーチファクトの混入が大きな問題となっている。本研究では、その問題を解決するためにfNIRSとfMRIを同時に計測し、姿勢、心拍、呼吸、発話、筋収縮などを変化させたときの両データの関係性を調べることにより、fNIRSデータから脳機能データとアーチファクトを分離して、fNIRSによる高精度な脳機能計測の実現を目指すものである。
2019年度は、まずfNIRSデータとの比較を行うにあたって、fMRIデータが心拍や呼吸から受けている影響を検証するため、短いTR(約100ms)でのBOLDデータの取得を行い、得られたデータに対してICA解析を行った。その結果、デフォルトモードネットワーク、背側注意ネットワーク、顕著性ネットワークなどの機能的ネットワーク以外に、脳幹周囲、脳室、脳表、白質、頭皮などにも多くの独立成分が見られ、それらが心拍または呼吸に由来する成分であることを確認した。
上記の確認を行った後、指タッピング、息止め、バルサルバ法(いきみ)、表情筋動作などのタスク遂行時のfNIRSとfMRIの同時計測を行い、fNIRS装置がfMRIデータにアーチファクトを引き起こさないこと、指タッピングによる脳賦活がfNIRSとfMRIで一貫して計測できること、息止めとバルサルバ法によってfNIRSとfMRIそれぞれに反応が見られること、表情筋動作によりfNIRSデータへアーチファクトが大きく混入することなどを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

交付内定後に命じられた所属機関内での管理部門への出向や、新型コロナウイルス感染防止のための実験停止などはあったものの、fMRIデータが心拍や呼吸から受けている影響の検証と、指タッピング、息止め、バルサルバ法(いきみ)、表情筋動作などのタスク遂行時のfNIRSとfMRIの同時計測を行うことができた。

今後の研究の推進方策

今後は、各種タスク遂行時のfNIRSとfMRIの同時計測のデータ取得を継続し、データの解析を行うとともに、頭皮や頭蓋内に大きな血管が走行している付近でのfNIRSとfMRIデータの挙動の特徴や、fNIRSデータの挙動からアーチファクト混入の可能性をリアルタイムでアラート表示するシステムの開発等を視野に入れて、研究を推進する方針である。

次年度使用額が生じた理由

交付内定後、所属機関により11月まで管理部門への出向を命じられ、その間研究を推進することができなかったことと、新型コロナウイルス感染防止のため被験者実験を行うことができなかったことにより、次年度使用額が生じた。次年度使用額は主として実験消耗品の購入と被験者謝金として使用する予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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