研究実績の概要 |
心不全を予防する心房間シャントデバイスの個別最適化システムの開発は、近年開発された心房間デバイスの血行動態効果を前もって予測し、個別患者に適応する際にデバイス選択の最適化を目的とする研究である。 本年度は2019年度に引き続き、提唱理論の妥当性を実証する大動物実験を行い、論文化を進めた。心房間シャント模擬犬において、シャント閉鎖時の血行動態から、包括的循環平衡理論を用いてシャント時の血行動態を予測した。予測した肺血流量(r2=0.88, root mean squared error (RMSE) 11.4 mL/min/kg)、体血流量(r2 = 0.92, RMSE 11.2 mL/min/kg)、右房圧(r2=0.92,RMSE 0.71 mmHg, P < 0.001)、左房圧(r2=0.83, RMSE 0.95 mmHg)が精度よく予測できることを示した。 模擬心房シャントではなく、心房を切開し、心房シャントを慢性的に作成した。シャント閉鎖時の血行動態が予測ができることを示し、人病態と同様のシャントでも提唱理論の妥当性を示した。
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