研究課題/領域番号 |
19K20691
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
長谷 栄治 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 特任助教 (50805512)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 放射光 / SAXS / WAXD / 骨 / 糖尿病 |
研究実績の概要 |
生体組織の内部微細構造を数オングストロームから数十nmオーダーで時分割に可視化できる,小角散乱(SAXS: small-angle X-ray scattering),広角回折(WAXD: wide-angle X-ray diffraction)同時計測装置を力学試験と組み合わせ,2型糖尿病皮質骨の微細力学解析に応用する.2型糖尿病では,終末糖化産物によるコラーゲン架橋の異常により骨強度が低下すると報告されているが,本手法で可視化する骨中ハイドロキシアパタイト(HAp: Hydroxyapatite)とコラーゲンの変形の振る舞いが,糖尿病によってどのように,どの程度変化するのかを,糖尿病の重篤度・進行度の違いとともに調査する. 本研究では,SAXS/WAXD同時測定手法により,ステップ状の力学的負荷を与えた際のコラーゲン/HApひずみ比,ひずみ応答の遅延時間,応力緩和の時定数などの骨力学特性を抽出し,正常骨と糖尿病モデル骨の間で比較する.当該年度は,本実験のための高速引張試験機を設計,作製した後,標準試料を用いて試験機が仕様通りに作製できていることを確認した.また,追加検討として,正常骨における数百マイクロメートルオーダーの巨視的なコラーゲン配向を非線形光学顕微鏡により評価した.加えて,これまでに取得したデータをまとめ,学会発表を行い,情報収集と意見交換を図った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度は,当初の予定通り,力学試験のための高速引張試験機を設計,作製した.また,可視光カメラと自作した画像相関によるひずみ解析ソフトウェアを用いて標準試料の力学特性解析を行い,試験機が仕様通りに作製できていることを確認した.放射光実験については,放射光施設の課題申請が不採択となったため,代替として,非線形光学顕微鏡を用いて正常骨における数百マイクロメートルオーダーの巨視的なコラーゲン配向を評価した. また,研究代表者は,本研究開始年度の2019年に所属組織変更があったが,試料準備等の際に用いる実験機器についてはキャンパス内の共用機器を使用でき,提案研究・実験を効率的に実施できる環境にあるため,研究計画に変更はない.
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今後の研究の推進方策 |
放射光実験はSPring-8にて実施する予定であり,当該年度に作製した試験機を放射光施設に持ち込み,実験を行う.実験後にはSAXS/WAXD時分割データの解析により,コラーゲン/HApひずみ比,ひずみ応答の遅延時間,応力緩和の時定数などの骨力学特性を抽出し,正常骨と糖尿病モデル骨の間で比較する.また,試料の新鮮さを考慮し,放射光施設の課題申請に採択され次第,動物実験を開始し試料準備を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:光学部品および高速引張試験機が3月に納品となり,支払いが完了していないため. 使用計画:上記の支払いが4月に完了する予定である.
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