研究実績の概要 |
本研究課題は、慢性肝疾患患者における肝線維化の進行と肝臓形状の関係を定量的に解析する手法を提案すると共に、本手法を応用して肝線維化ステージの自動診断および線維化進行の予測を行う臨床システムの開発を目的とした。 2019-2020年度に、大阪大学病院と協力し、腹部造影MR画像データセット(251症例) を構築し、各MR画像に対して、肝臓と脾臓のラベルを作成し、放射線科医が検証した。本研究室で開発された深層学習に基づいた画像セグメンテーションツールBayesian U-Net(日朝ら,IEEE TMI,2019)を用いて、肝臓と脾臓の自動セグメンテーション研究を行った。Bayesian U-Netに基づいた推定の不確実性とセグメンテーション精度間の関係を調査し、肝臓と脾臓、それぞれ -0.893, -0.908の相関係数を得られ、強い関係を確認できた。従って、病院などの大規模なデータセットにおける、正解データのないMR画像に適応する際に、自動セグメンテーション精度を予測できると考えられる。研究成果を国内学会(第39回日本医用画像工学会 (JAMIT)大会, オンライン開催, 2020)で発表した。 また、上記の自動セグメンテーション方を用いて、正解データを増加するためのActive Learning(日朝ら,IEEE TMI,2019)のシミュレーション実験を行い、正解データの作成負担(手動アノテーションコスト)を軽減できることが確認できた。本研究成果を国内学会(IEICEメディカルイメージング連合フォーラム, オンライン開催, 2021)で発表した。
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