研究課題
ロボット支援腎部分切除術(RAPN)では、腎癌は局在、組織型、腫瘍の埋没度合いなどバリエーションが豊富であり、癌の根治性と術後腎機能温存を達成するために高い手術技術が要求される。我々は、先行研究で光学式追跡システムと腎癌3D画像を併用した自動追従追従型手術ナビゲーションシステムを開発した。しかし、内視鏡画像上から腫瘍の深さや血管の情報を視認できず、腫瘍への切り込みによる術後再発や多くの腎実質喪失による腎機能障害のリスクがあった。これに対して本研究で拡張現実(AR)を併用して腎血管と腎腫瘍の場所を内視鏡画像内に重畳し腫瘍・血管の正確な情報を提供する画像支援システムを開発した。Microsoft Visual Studioを用いてプログラミン言語(Python)にてソースコードを作成した。内視鏡情報(ステレオカメラの外部・内部パラメータ)を光学式追跡システムで採取するため、光学式マーカーを装着する内視鏡ホルダーを設計し、滅菌可能なアルミ製で作成した。内視鏡ステレオカメラの画像情報を手術支援ロボットのビジョンカートからワークステーションに取り込み、内視鏡画像と3D画像から任意の同じ特徴点を5箇所以上選択し両画像をリンクさせて、3D画像を内視鏡画像に重畳することでARを実現した。光学式追跡システムで内視鏡の光学式マーカーの位置を計測するため、内視鏡の動きに合わせてARが同期して動くシステムとした。これらのAR画像はビジョンカートに入力し、術中はTileProを介してコンソール画像に提示することができるため、術者はコンソールの中で視線を動かすことなくAR画像を確認し腫瘍の正確な上昇をリアルタイムに確認することができた。術中助手の立ち位置によって光学式追跡システムの追跡が遮断することがあったため、内視鏡ホルダーを再設計しアルミ製ホルダー作成した。
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