研究課題/領域番号 |
19K20715
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
石井 信之 宮崎大学, 医学部, 研究員 (80648410)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | スマートフォン / 動画解析 / 神経診察 / 振戦 / 歩行 / 本態性振戦 / 小脳失調 |
研究実績の概要 |
①画像を用いた振戦の病態評価及び診断補助を行うために、患者(本態性振戦と小脳失調症)および健常者を対象とした振戦の診察を動画撮影し、それぞれを定量的に解析した。具体的な方法として、実際の診察方法である「指鼻指試験」を用いた。患者の指先にマーキングを行い、指先の三次元の動きを定量化し、本態性振戦と小脳失調症でそれぞれ特徴的な動きを抽出することに成功した。情報量が膨大となる動画情報の中から、診断や病状把握に必要な情報を限定し、かつ、定量化できた点は今後の神経診察におけるAI導入に有用と考える。 ②前年度に実施したスマートフォンに実装したらせん描画の震えを評価するアプリケーションを用い、本態性振戦の病態を解析した。本態性振戦は末梢性の要素と中枢性(小脳性)の要素の混在した病態と考えられている。本アプリケーションでは正常、本態性振戦、小脳性、のみのAI診断となっている。そこで、本アプリケーションで本態性振戦と評価された震えを、末梢性要素と小脳性のどちらが優位なのかを評価する研究を進めた。純粋な末梢性要因としては甲状腺機能亢進症を対象とした。現在データ回収しており、小脳失調症、甲状腺機能亢進症のらせん描画を機械学習させ、本態性振戦と判断された螺旋を分類させプログラムを実装する予定である。また、その結果と投与薬剤の反応性の評価も後ろ向き観察研究で行う予定である。 ③パーキンソン病の歩行パターンの評価を行うために、病状の異なる複数名の患者の歩行や方向転換の動画解析を行った。体幹のひねりかたや手の動き、足の動かし方などに注目して解析を行っており、転倒リスクの高い動作を解析すると同時に、それを補うための適切な補助具の選択などの参考にする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度のスマートフォンを用いたらせん描画解析に続き、実診察の動画を用いた情報抽出および定量化に成功し、論文発表に至った。一方、歩行解析はデータ集積でとどまっており、解析が順調には進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
パーキンソン病の歩行パターンの動画解析および、開発したアプリケーションを用いた本態性振戦の病態解析を引き続き実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
歩行における動画解析に時間がかかっており、生理検査で用いる機器の購入には至っていないため。助成金で経頭蓋直流刺激装置の購入や神経生理検査における消耗品の購入を行う計画である。
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