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2020 年度 実施状況報告書

超音波加温時の音速変化率の測定による、癌治療効果の早期予測

研究課題

研究課題/領域番号 19K20716
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

齊藤 夏彦  奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (30790290)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード超音波加温 / 組織性状診断 / 組織定量化 / 癌治療効果判定
研究実績の概要

平成31度は申請書に記載した手順通り、Step1:様々な生体組織の音速の温度係数を恒温槽で測定し、測定値をデータベース化する。Step2:壊死組織と癌組織の音速の温度係数を恒温槽で測定し、両者が鑑別可能か検証する。の部分が終了し、令和1年度に関してはStep3:壊死組織と癌組織が混在した組織の音速時間変化率を超音波加温により測定し、混合比を定量化することで早期治療効果判定を行った。Step1で、ラット肝組織・ラット肝に移植した癌組織・塞栓剤であるリピオドールの温度係数が異なることが示された。これは、超音波加温技術により、異なる組織間で組織性状診断が可能なことを示している。Step2では、壊死組織と癌組織の音速の温度係数が異なる傾きであることが示され、超音波加温技術で判別可能であることが示された。さらに今年度、Step3において壊死組織と癌組織が様々な割合で混在した状態のもの(実際には、ラット肝に作成した癌組織に対して、様々な量の塞栓物質をカテーテルを用いて投与して作成)を超音波加温による技術で測定した。結果を、CT画像と犠牲死させた組織の壊死率と比較検討している。最初10例程度検討を行ったが、有意な相関は得られなかった。原因として塞栓物質の注入量を0.1cc-0.3ccの間で行っていたが、量が多すぎて差が出ていない事象が考慮されるため、0.05cc-0.3ccの間の更に広い範囲での注入を行った。その結果、有意な相関が得られたため、パイロット試験成功と判断した。その後ラットに対して同様の実験を継続して行い、音速変化率-CT値、音速変化率-病理組織の間で相関が出ることを確認中である。この超音波装置の初期経験として追加実験、論文作成中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記「研究実績の概要」でも述べた通り、Step1,2に続いてStep3も終了した。現在n数を増やすとともに、論文作成に着手している。

今後の研究の推進方策

上記「研究実績の概要」と「現在までの進捗状況」で述べた通り、Step1,2に関しては前年度に無事終了し、予測される実験結果を得た。更にStep3に関しても良好な実験結果を得た。確定されたプロトコールで良好な実験結果を得たため、今後n数を増やして実験継続予定である。

次年度使用額が生じた理由

超音波加温技術による測定値・CT画像・犠牲死組織による壊死率との間に有意な相関が得られれたため、更にn数を増やすために実験を継続する必要性がある。このため、動物やその他消耗品が必要である。また、今後妥当な実験結果が出た際に国内外学会で発表するための費用、論文化のための諸費用などが必要なため、次年度使用額が生じた。

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公開日: 2021-12-27  

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