本研究では、生体内アミノ酸濃度のトータルバランスの変動に基づいて悪性胸膜中皮腫(MPM)患者を識別するための判別モデルの開発を行った。MPMまたは比較対照患者から採取された胸水試料のHPLC分析で得られた24種のアミノ酸濃度について主成分分析(PCA)を行い、MPM群と対照群ではアミノ酸バランスが異なることが確認された。さらに、線形判別分析(LDA)により未知検体の群情報(MPMか否か)を予測するための判別モデルを作成した。いくつかのアミノ酸で構成される本モデルは、良好な診断性能を示すことが確認され、本法を新しい悪性胸膜中皮腫(MPM)診断法として応用できることが示唆された。
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