研究課題
本研究では、尿中のナトリウム利尿ペプチドの精密測定達成には至らなかった。一方で血中の様々な形態のナトリウム利尿ペプチドの精密測定は、我々のチームが新たに開発したCLEIAキットにより達成しえた。具体的には、重症心不全患者に対する心臓再同期療法において、術前に測定したB型ナトリウム利尿ペプチドとサイクリックGMP濃度の比率が心臓再同期療法への反応性を予測する事が分かった(J Cardiol. 2022;6:727-733.)。またA型ナトリウム利尿ペプチドにおいては、NT-proANPが同様に予後を予測する事が判明した。とくにNT-proANPに関しては、それ単独で予後を予測する事が可能である事、また糖鎖修飾されて比較的安定なペプチドである事から、今後様々な心不全病態においてその重要性が増す指標となりうる。さらに我々は、尿中の物質として新たにイソキサントプテリンに着目した。イソキサントプテリンは体内の酸化ストレスにより産生されるプテリンの最終代謝産物であるが、同物質が心房細動のカテーテルアブレーション後再発と大きく関係する事が分かった(J Arrhythm. 2023 Feb 27;39(2):159-165.)。このように、目標の一つであった尿に着目した非侵襲的バイオマーカーの開発も達成した。
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Journal of Arrhythmia
巻: 39 ページ: 159~165
10.1002/joa3.12828
Journal of Cardiology
巻: 6 ページ: Epub
10.1016/j.jjcc.2021.12.015.