本研究は、心不全を対象に、その重症度を反映するナトリウム利尿ペプチドを尿中で測定する機器を開発し、在宅で病状をモニタリングする事を目的として開始した。まずは尿中のナトリウム利尿ペプチドを安定して測定できる測定系の開発が必要であった。比較的分解されにくいNT-proBNPをターゲットとし、サンドイッチELISAを用いて測定した結果、脱糖鎖処理によって2~3倍の測定値変動がある事が分かった。また心不全増悪前後での挙動も明らかになっていなかったため、本研究で心不全増悪入院時と退院時の尿中濃度を測定した結果、心不全増悪時には上昇していた尿中NT-proBNPが退院時には確実に減少する事も判明した。
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