研究課題/領域番号 |
19K20728
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
広田 雅和 帝京大学, 医療技術学部, 助教 (40835435)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 眼球運動 / 視線 / 眼科 |
研究実績の概要 |
本研究では、① 両眼視を成立させた日常生活に近い環境下で眼球運動を短時間かつ他覚的に測定できる試験システムを新たに開発し、被検者の眼球運動を可視化および数値化する。また、画像特徴量の検出に優れた人工知能技術「ディープラーニング」を導入することで、従来法では診断が困難であった眼球運動障害を診断可能になると思われる。そこで、② 人工知能技術「ディープラーニング」を用いた、眼球運動の障害部位や疾患を推定するプログラムを開発し診断および治療に役立てることを目的とする。 本研究の目的を達成するため、2019年度は眼球運動を評価する視標提示装置の開発と並行して赤外線視線追跡装置(VOG) の選定を行った。視標提示装置は波長 630 nm の赤色 LED を視標とした。LED はマイクロコンピュータの Arduino に配線し, 視標の点灯をコントロール出来るプログラムを作成した。LED の指向性を緩和するためおよび被験者から予め視標が視認できないようにスモーク加工したアクリル板を視標提示装置の前面に設置した。VOG は NAC イメージテクノロジー社の EMR-9 をベースに被験者の視野を測定用のカメラが塞がないようハーフミラーで測定光を屈曲させるカスタムメイドの装置を購入した。Arduino をインターフェースとして視標提示装置と連動するシステムを開発した。 開発したシステムの性能評価試験として12 名の被験者をリクルートした。各被験者は視標提示装置に提示された視標を追視した。開発したシステムの測定誤差は0.5±0.8 度であり、眼球運動を評価するには十分な精度を有していることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
申請時の研究計画において、被験者をリクルートするのは 2 年目以降であったが、システム開発が順調に進んだことで、研究費の前倒し申請を行い、1 年目にシステムの性能評価試験を実施することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
2020 年度は引き続き健常者のデータを集積する予定である。2019 年度は研究が順調に進み、計画を前倒しすることができた。しかしながら、コロナウイルスの影響で、緊急事態宣言が発令され、2020年度は一度も健常者のデータを集積できていないことから、2019 年度の貯金は使い切ったものと考えられる。 2020年度はコロナウイルスの影響が終息し、被験者をリクルート可能になった段階で健常者のデータ集積を再開する。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請時の研究計画において、被験者をリクルートするのは 2 年目以降であったが、システム開発が順調に進んだことで、研究費の前倒し申請を行い、1 年目にシステムの性能評価試験を実施したため次年度使用額が生じた。
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