研究課題
若手研究
本研究では,動的HESS検査を開発することで,斜視患者が視線を移動した後,右眼の映像と左眼の映像を一つにする再融像時間が延長していることを明らかにした.非侵襲的に両眼の眼球運動を計測可能な赤外線視線追跡装置と人工知能技術を組み合わせることで,現実空間における眼球運動検査の手技を変更することなく,被験者の眼球運動を他覚的定量評価法できるVOG-SSDシステムを開発した.さらに,眼球運動検査の自動解析アルゴリズムを開発し,検査の実施と結果の解析をシームレス化することに成功した.
眼科学
これまで,眼科外来における眼球運動検査は,検者である視能訓練士が目視で患者の眼球運動が正常であるか,異常であるかを判定していた.目視での判定は,定性的であり,検者間で結果が異なることや,検査中のデータが記録されないため経時的な変化を追えない問題点があった.本研究において,研究代表者は,眼科外来で行われている眼球運動検査を他覚的定量評価することに成功した.さらに検査中の結果も記録できるため,眼球運動に異常を来した患者の経時変化を追うことで,治療効果を詳細に把握できるようになった.