研究実績の概要 |
ICGの静脈注射で下腸間膜静脈と左結腸動脈を蛍光させ走行を同定するICG蛍光血管ナビゲーション(fluorescence vessel navigation;FVN)の有用性を、2017年2月から2018年11月までに東京慈恵会医科大学付属第三病院で施行された腹腔鏡下左側結腸・直腸手術59例で検討した。FVN使用群(n=21)はFVN非使用群(n=38)に比較し、有意に血管処理に要する時間が短かった。ICGを用いたFVNは腹腔鏡下大腸癌手術の手術時間短縮や、特に若手医師の手術の安全性向上に寄与する可能性がある。(Shunjin Ryu, et al. Anticancer Res. 2019) またICG蛍光法を用いて吻合部の血流評価を行った大腸癌(n=50)症例を検討した。3例(6%)において、通常光観察では血流に問題無いと判断した吻合予定部位がICG蛍光法によって血流が不十分であると判定され、吻合部変更を要した。それらの症例では術後縫合不全を認めなかった。ICG蛍光法は縫合不全低減に有用と期待される。本内容も原著論文として発表した.(Shunjin Ryu, et al. Anticancer Res. またこれらを2020年2月には7th Annual INTERNATIONAL CONGRESS FOR FLUORESCENCE GUIDED SURGERY(招待講演、国際学会)で発表した。
|