・足首/耳垂部用フィードバックデバイス:2本の湾曲型空圧駆動ソフトアクチュエータを用いたフィードバックデバイスを足首、耳垂部に設置し異なる強さ(最大約15N)で当該部位を掴む/摘まむような動作を繰り返した時の、強さの認識調査を被験者実験により実施した。強さを3段階に分けて実施した際の識別率は足首、耳垂部共に90%前後となった。 ・義手腕の製作:駆動アクチュエータには軽量柔軟な空圧駆動のマッキベン型人工筋肉、湾曲ソフトアクチュエータ、及び電気モータを組合わせているが、先行研究に対し柔軟・安全性を向上させるべく、5自由度(肩2肘1手首1ハンド1)のうち空圧駆動を2自由度から4自由度に増加させた。ハンド部においてはフィードバックシステムに採用しているソフトアクチュエータを利用した構造に変更している。固有の柔軟性により、対象物把持の際、過剰な力が発生した場合でもフィンガが変形して力を逃し危険な状態を回避できる。また義手腕の重量は830gとなった(コンプレッサ等重量物や、ソケット、チューブ等を含まず)。 ・音声入力システム:音声をメインの入力に採用した。音声システム単体での基礎実験において、音声認識モジュールを用い特定のユーザの10種類の発話フレーズ(掴む、離す等)を登録しランダムにフレーズを発話した際の識別率は95%であった。 ・日常生活動作テスト:音声認識システムを主に用いて操作入力を行い(力センサや可変抵抗による入力も含む)、足首フィードバックデバイスを装着し日常生活動作実験を行った。先行研究でも行った、水を入れたペットボトルにリーチングしボトルを把持し口付近に移動させ水を飲むという動作を再現できた。音声入力により操作はシンプルで容易なものとなったが、音声単体の基礎実験における識別率とは異なり、動作実験時では認識ミスも多く動作完結まで時間を要している。識別率向上は今後の課題となる。
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