本研究の最終目標は,体圧分布測定装置で取得した圧力分布から軟部組織の厚みと縦弾性率を同時に推定する技術の開発である.本研究では,生体の軟部組織と同程度の硬さを持つゲル試験片を活用し,実験値を考慮した軟部組織のモデルを構築した. まず,軟部組織の厚み・縦弾性率・圧力の関係についてモデリングを行い,一種類の縦弾性率を持つ軟部組織と,異なる縦弾性率を持つ軟部組織のばねモデルを考えた.次に,縦弾性率推定方法を作成し,軟部組織厚み推定と縦弾性率推定を反復的に実行することで,妥当な変形量と縦弾性率を求める方法を提案した.最後に,多層軟部組織における縦弾性率推定方法の適用について検討した.
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