研究課題
研究活動スタート支援
1,ペリオスチンによる皮膚悪性腫瘍の発症と悪性化機序の解明:3次元細胞培養法の解析を進め、野生型またはペリオスチン欠損マウスの線維芽細胞とcell lineの共培養を行ったが、腫瘍細胞の浸潤、増殖、分化などに大きな差はみられなかった。2,皮膚悪性腫瘍患者検体における解析:基底細胞癌の中でも浸潤傾向の強いモルフィア型の患者の皮膚組織においてペリオスチンが強く沈着した。一方、基底細胞癌でも浸潤傾向のない結節型の患者組織ではペリオスチンは沈着しなかった。
皮膚悪性腫瘍
これまでの解析において、皮膚組織の免疫染色の結果より、ペリオスチンは悪性度を反映したバイオマーカーであり、EMT(上皮間葉転移)に関与している可能性を考える。EMTは上皮性の腫瘍細胞が、より運動性の高い間葉系細胞の表現型を獲得し、転移を起こしやすくなった状態をいう。したがって、EMTを制御することは悪性化を抑制することであり、新しい癌治療戦略と考えられる。