今後の研究の推進方策 |
ここまでの研究から、1)腺房細胞の管腔・細胞間小管の形成が生後5日に観察されること、2)その形成がCdc42依存性であること、3)Cdc42は細胞内輸送を制御することにより細胞間小管の形成を促進することが示唆された。 MDCK細胞による三次元培養系や、マウス小腸組織をモデルとした解析から、上皮細胞の腺腔側膜の形成には、Rab11aを持つ細胞内小胞が重要な役割を果たすことが示されてる。興味深いことにCdc42およびCdc42により活性化され、細胞極性形成に重要な役割を果たすPar複合体はRab11a小胞の輸送を制御すると考えられている。そこで今後は免疫染色およびウェスタンブロッティングを中心とした生化学的解析によりRab11a小胞の輸送に関わると言われている、Rab11a, Rab8, Myosin5,Par6, aPKCなどの局在、発現量、リン酸化などの活性化を調べる。これらの解析から腺房細胞におけるCdc42依存性の管腔形成の分子メカニズムを明らかにし、第61回歯科基礎医学会、第42回日本分子生物学会年会、もしくはGordon Research Conference;Salivary Glands & Exocrine Biologyにて発表する予定である。
|