本研究は、北宋第三代皇帝・真宗時代の仏教文物に注目し、その歴史的意義を明らかにしようと試みたものである。2018年度は、南京・長干寺址出土阿育王塔(1011)について、国際学会での招待講演(仏教美術史学会・韓国)および論文執筆(「南京市長干寺址出土阿育王塔の図像と制作背景」)を行った。2019年度は、大中祥符年間に制作された蘇州・瑞光塔出土真珠舎利宝幢などについて扱った論文「唐宋時代の毘沙門天像 -王朝の守護神-」を執筆した。また同宝幢を納入した木函に描かれた四天王図像と、鎌倉時代の毘沙門天像との図像の近似性について論文「青蓮院伝来毘沙門天像に関する一考察 」で言及した。
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