2年間の研究期間中に、インド政府考古局の調査許可証のもと、2回のカナガナハッリ大塔の実地調査と、8カ所の博物館およびバールフット遺跡での資料収集を行った。カナガナハッリ大塔では、未報告の出土品と碑文を撮影し、それらの配置図を記録して、基礎史料の更新を行うことができた。これらの新資料を用いて、カナガナハッリ大塔の仏伝図研究を行った。研究成果は、(1)『義足経』における因縁物語―第10経と第14経に説かれる因縁物語とその図像表現―、(2)カナガナハッリ大塔におけるスジャーターの乳糜供養説図について、(3)南インドにおける成道図の図像表現―満瓶をてがかりとして―と題した3つの論文として発表した。
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