研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、中国語で「流水文」と呼ばれたものを中心とし、複雑な「一つの文」がどのように構成されているのかを明らかにするものである。「流水文」とは、埋め込まれずに比較的独立した節が次々と付加される形で複雑な観念を表すものである。本書が明らかにする問題は、つとに気づかれていたものだが、謎のままであった。これは欧米で作られた言語学の枠組みを当てはめていたからである。本研究は中国語が持つ「複雑な文」の形成方法に着目することによって、「文とは何か」を巡る問題の一般理論に大きく寄与するものである。
中国語テクスト言語学
言語における「複雑な文」がどのように作られているかについて、これまでの研究は英語など、欧米の言語をもとにした理論で分析されてきた。ところが、中国語では異なる視点から分析する必要がある。本研究では、中国語の複雑な文の形成方式から、「文とは何か」を考える一般理論に寄与した。「文」の分析方法について、新たな観点を導入することができた。また、日本語との比較から、翻訳の問題にも寄与した。