研究実績の概要 |
本年度は、各コーパスデータから関係代名詞を含む文の抽出と整備、及びデータ収集を中心に行った。 まず、1) 中学・高校の英語教科書コーパス、2) 大学生の書き言葉及び話し言葉コーパスである The ICNALE (The International Corpus Network of Asian Learners of English)から関係代名詞を含む文を抽出し、各例文に、表層形 (that, which, who, whose, whom)に加え、第二言語習得論における習得順序を示した仮説である Noun Phrase Accessibility Hierarchy Hypothesis (NPAH: Keenan & Comrie, 1977) 及び SO Hierarchy Hypothesis (SOHH: Hamilton, 1994)による分類を用い、手作業で情報を付与した。 省略された関係代名詞に関しては、1) 中学・高校の教科書コーパス、2) 大学生の書き言葉及び話し言葉コーパス(ICNALE)、英語母語話者のデータである British National Corpus のサブコーパスである BNC Babyの書き言葉及び話し言葉データを Stanford Parserを用いて構文解析し、省略されている関係代名詞を抽出した。 関係代名詞の回避に関わるデータに関しては高橋 (2017)の3つのタスクを用い、上級レベル (B2, C1)のデータを補填すべく新たに13名の作文データを収集した。 今後はこれらの情報を元に日本人英語学習者のCEFRレベル別の使用傾向を明らかにする。
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