戦後ドイツ文学を代表する作家でありながら日本では研究の蓄積の少ないヨーンゾンについて、市販される書籍という形で論考を発表できたことは、当該作家研究における大きな学術的意義を持つ。 ベルンハルトについては、近年ようやく注目の集まり始めた初期中編作品について日本語での初の本格的な論文を発表したことに学術的な意義が見出され、また、新聞への書評寄稿は一般読者に批評的な紹介を行うという社会的意義を有する。 ハントケについては、研究年度の間にノーベル文学賞という大きな影響力を持つ賞を受けたこともあり、専門家として積極的に紹介・解説をするという社会的意義を担った。
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