研究課題/領域番号 |
18H05595
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
青田 庄真 筑波大学, 人文社会系, 助教 (60824406)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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キーワード | 外国語教育 / 教育政策 / 政策過程 / 地方教育行政 / 地方分権改革 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,日本国内において既に実施されている外国語教育政策の「効果」を実証的に解明することを通して,世界で活躍する日本人を育成するための効果的な外国語教育政策の在り方を検討することである。日本の外国語教育政策は,学術界内外において注目度の高いテーマである。従来の外国語教育研究では,しばしば政策の効果検証の欠如が指摘される一方で,実証的にその効果検証を試みるものは極めて稀であった。 本研究では,政策研究に蓄積のある行政学等の社会科学分野において培われてきたアプローチを応用し,教育現場に近い行政機関である全国の教育委員会に対して,外国語教育政策の効果等を尋ねる質問紙調査と聞き取り調査を行なった。質問紙調査は全国の市区町村教育委員会を対象に,人口を考慮した層化抽出法により1,000件の自治体に郵送したところ,500件(50.0%)の回答が得られた。また,得られた回答のうち,異常値と思われるもの等については追加で聞き取り調査を行ない,データの整理を行なった。さらに,回答結果をもとに,自治体の追加施策についての資料収集を行なった。 年度末時点までの実績としては,以上のデータは電子化のうえ,基礎的な集計までを終えている。そして,それを複数の査読付き学術雑誌に投稿した。また,上記の調査以外にも,理論的研究等を予定通り行ない,国内外における学会発表や各種学術雑誌への投稿を行なっている。それらのうちのいくつかは既に出版済みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
進捗状況については,若干の変更があったものの,当初の計画以上に進展していると言える。本研究課題は,応募から採択決定までの期間に夏季休暇等のまとまった時間があったため,理論的研究や調査研究の準備等を効率よく進めることができた。採択決定後についても,郵送調査やデータ入力補助等の人員を当初の想定以上に確保することができたため,経費を抑えて効率よく研究を進めることができた。そこで抑えた経費については,当初の計画以上に研究を進めることに充当した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究については,外国語教育政策の効果をさらに解明すべく,質問紙調査,聞き取り調査,理論的研究の3点を継続して行なう。また,前年度の調査で得られたデータを分析し,国内外の国際会議で発表するとともに,査読付き学術雑誌に投稿する。 調査内容については,質問紙調査は前年度に大幅に進展させることができたため,今年度は規模を縮小し,聞き取り調査や現地訪問によってそれを補完するデータの収集に努める予定である。理論的研究については,これまで参加していなかった学術会議等に積極的に参加するなどして,学際的な知見の収集に努めるとともに,将来の共同研究等を見据えて広く学術交流の可能性を探る予定である。
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