研究課題/領域番号 |
19K20839
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配分区分 | 基金 |
研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
片山 健太郎 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, アソシエイトフェロー (90526146)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 馬具 / 馬装 / セット / 生産・流通 / 金工 / 古墳時代 / 古代 |
研究実績の概要 |
本研究は毛彫馬具のセットなど、古墳時代終末期の馬具を主要な対象として、生産、使用の実態を資料に即してあきらかにすることをめざす。生産、使用の具体像にもとづき、馬装体系と呼称される、馬具の種類と組み合わせにより様々な社会関係を表示するシステムが当該期には存在したのか、存在したのであれば、古墳時代後期までの馬装体系とどのように異なるかを明らかにする。 2019年度は、前年度に実施した資料調査の図面等を整理し、資料集成の補足をおこなった。また、7世紀後半の馬装体系の存否とその内容を明らかにするために、前提となる6世紀から7世紀前半代の馬具出土古墳の分布、出土古墳の性格の検討をおこない、比較データの整備に努めた。 さらに、7世紀後半以降の馬具を検討するうえでは、馬具の繋飾金具と人用の帯金具との関連性の追求や識別が重要な課題となる。後者について、先行研究の整理をおこなった。 第8回古代の馬研究会で、「古墳時代馬具の皮革素材」と題する研究発表をおこない、本研究の一つの柱である有機質素材に注目した馬具の研究視点について検討結果を提示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の主要な課題は7世紀後半の馬具の実態把握、編年構築である。この前提となる6世紀から7世紀前半の自身の馬具編年の修正・調整により、本研究全体の編年観の見直しが必要となったため、7世紀後半の馬具についての研究も遅延が生じている。また、馬具に関連して、人用の帯金具の研究についての整理をおこなう必要性と、これらの先行研究の中での馬具の取り扱いについて把握、整理する必要性が生じてきたため。これらの理由により、資料調査の計画の練り直しが必要となったため。
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今後の研究の推進方策 |
早急に7世紀後半代の馬具編年を整備する。また、資料調査を引き続きおこない、生産・使用の実態を捉えていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
実物資料の調査の準備作業である、6世紀から7世紀前半の馬具編年の大幅な修正等により資料調査をほとんど実施できなかったため。 次年度は資料調査を計画的におこない、本研究の成果をまとめる。
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