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2019 年度 実績報告書

急速に経済発展するベトナム農山村地域において在来習慣が遺存する背景要因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K20844
配分区分基金
研究機関京都大学

研究代表者

時任 美乃理  京都大学, 森里海連環学教育研究ユニット, 特定研究員 (20824220)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2020-03-31
キーワードベトナム / モノカルチャー / ホームガーデン / GIS分析 / アカシア林業 / 生業構造 / 地域計画 / 救荒作物
研究実績の概要

経済成長の著しい東南アジア諸国では,急速な都市化や産業の集約化に伴い,農村地域の社会システムが徐々に変化している。とりわけベトナムの山岳農村では多くの少数民族世帯が造林業に参入しており,生業のモノカルチャー化が進行している。一見すると造林業という現金収入源を獲得し貧困から脱したようにみえる少数民族世帯だが,実際には生活に様々な不安定性を抱えているのが実情である。災害や経済状況の変化に柔軟に対処できる高いレジリエンスを備えた生活構造の確立が急務であることから,本研究では,モノカルチャー化によって危惧される諸リスクへの対処手段としてホームガーデンにおける作物栽培に着目し,そうした人々の生存維持保障として維持されてきた生活習慣が現状も遺存している背景要因の解明を目指した。
前年度にベトナム中部ナムドン県の少数民族農村を対象地として実施した現地調査のデータをもとに,ホームガーデンにおける栽培作物構成を規定する要因を探る分析を行った。また,ベトナム山岳農村でホームガーデンにおいて多様な作物が栽培され,それらが救荒作物としても機能している実態をまとめ,その特徴を考慮した上で土地利用の多様度を明らかにする手法の開発を行った。さらに,ベトナム農村における緊急時の生存維持保障としてのホームガーデン利用の実態を,GIS解析および統計解析によって定量的・視覚的に示した。
また,現地有識者とここまでの研究成果について議論するワークショップを開催し,今後の現地の食糧支援について検討を行った。
本研究の成果から,これまで明らかになっていなかった現地の実情を地域住民や現地の行政機関をはじめとするステークホルダーにも理解できる形で可視化することができたため,より地域との親和性が高い形で支援策の改善に向けた提案を行うことが可能となった。
以上の成果は国内外の学会および国際セミナーにて発表し,論文の執筆を行った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ベトナム農村における「フェイルセーフ」としてのホームガーデン利用の実態2019

    • 著者名/発表者名
      時任美乃理, 淺野悟史, 西前出
    • 学会等名
      農村計画学会 2019年度春季大会
  • [学会発表] ベトナム農村のホームガーデンにおける栽培作物構成を規定する要因に関する研究2019

    • 著者名/発表者名
      時任美乃理, 淺野悟史, 西前出
    • 学会等名
      熱帯生態学会

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公開日: 2021-01-27  

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