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2018 年度 実績報告書

食の認識体系とその変容ータイにおけるMSG(グルタミン酸ナトリウム)の消費と拒絶

研究課題

研究課題/領域番号 18H05644
配分区分補助金
研究機関国立民族学博物館

研究代表者

大澤 由実  国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 機関研究員 (40822630)

研究期間 (年度) 2018-08-24 – 2020-03-31
キーワードタイ / グルタミン酸ナトリウム / 消費 / グローバル化 / 調味料 / 食文化 / 社会変容 / 食のグローバル化
研究実績の概要

本研究課題の目的はグローバルに消費されるMSG(グルタミン酸ナトリウム)を例に、その消費と拒絶という食の選択に着目し、選択の背景にある食の認識体系がどのように構築され変容するのかを明らかにすることにある。MSGの大量消費国の1つであるタイにおけるMSGの消費とその拡大の社会歴史的過程、現代における消費の実態と消費の拒絶という現象について、文献調査及び現地調査により考察する。
2018年度はタイにおけるMSGの受容、消費、販売、購入等に関するデータ及び文献・資料を収集した。また、11月と2-3月に2度、首都バンコクとタイ北部チェンマイ周辺において現地調査を実施した。食の専門家(研究者、食産業関係者、シェフ)及び一般消費者への聞き取り調査を通じて、MSG消費と拒絶の実態を調査した。MSGの消費の拒絶については、MSGの消費にまつわるネガティブな噂が収集されるとともに、近年はクリーン・フードなどの食と健康、食と環境に関する比較的新しいムーブメントがあることが明らかになった。MSGの消費とその変容については、タイ社会における食の近代化、グローバル化、ライフスタイルの変化など食文化を大きくとりまく変化の中に位置づけられることが確認できた。
現地調査の結果を踏まえて、3月には国際シンポジウム ‘Making Food in Human and Natural History’にて口頭発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

・現地パートナーの協力もあり、2018年度に予定していた2度の現地調査を計画通り進めることができた。
・タイにおけるMSGの受容、消費、販売等に関する歴史的資料の収集も順調に進んでいる。
・MSG の消費量、購入量等関する定量的データの収集はまだ不十分である。

今後の研究の推進方策

2019年度も引き続きタイにおけるMSG消費の実態、また消費の拒絶という現象についての調査を進める。特に今年度は前年度の現地調査で明らかになったクリーン・フードなどの食と健康、食と環境に関する新たなムーブメントの実態と背景、それらの動きの中でのMSGの位置付けについて聞き取り調査を実施する。またタイにおける食習慣、食文化の変化という比較的大きな枠組みの中でのMSGの受容と拒絶いう過程にも着目する。
同時にこれまでに得られた現地調査のデータ、資料情報を整理し各データの照らし合わせを行った上で内容の分析を開始する。
年度の後半には学会発表及び論文執筆等、研究成果の発表に取り組む。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 食を研究するということ2019

    • 著者名/発表者名
      大澤由実
    • 雑誌名

      季刊民族学

      巻: 168 ページ: 102-103

  • [雑誌論文] Authenticity, Soft Power and the Japanese Food Boom2018

    • 著者名/発表者名
      Yoshimi Osawa
    • 雑誌名

      Minpaku Anthropology Newsletter

      巻: 47 ページ: 5-7

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] ハニーホテル2018

    • 著者名/発表者名
      大澤由実
    • 雑誌名

      月刊みんぱく

      巻: 42(12) ページ: 20-20

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Creation of Taste: Quest for Deliciousness2019

    • 著者名/発表者名
      Yoshimi Osawa
    • 学会等名
      International Symposium "Making Food in Human and Natural History"
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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