研究課題/領域番号 |
19K20849
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配分区分 | 基金 |
研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
大澤 由実 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 機関研究員 (40822630)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | MSG / グルタミン酸ナトリウム / タイ / 調味料 / 食文化 / 味 / グローバル化 / 化学調味料 |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的はグローバルに消費されるMSG(グルタミン酸ナトリウム)を例に、その消費と拒絶という食の選択に着目し、選択の背景にある食の認識体系がどのように構築され変容するのか、タイを事例に明らかにすることにある。2019年度は8月に、首都バンコク、タイ北部チェンマイ周辺(都市部)、ラムプーム県(農村部)において現地調査を実施した。主に、高齢者を対象に、MSGの広がりを含めた食生活の歴史的な変化について聞き取り調査などを行った。日本文化人類学会研究大会では、同テーマでの発表要旨を登録し、採択された。また、タイ社会におけるMSGの受容過程についての英語論文を執筆し、現在は出版の準備中である。その他、研究成果の一部について、毎日新聞や、一般雑誌に記事を執筆・掲載することにより、研究成果の一般社会への還元を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2019年度は2回の現地調査を計画していたが、新型コロナウィルスのため、2回目の現地調査がキャンセルとなった。そのため、今年度の研究の焦点の1つであった、MSGの消費の拒絶という現象についての、十分な調査・研究が実施できていない。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス関連の状況に応じ、今後タイでの現地調査が可能になれば、調査を実施する予定である。現地調査では、MSGの消費の拒絶やそれに関する現象を中心としたデータを収集していく予定である。渡航が難しい場合には、日本国内で入手可能な資料等を収集、またSNSなどのインターネット媒体を通した聞き取り調査を実施するなどとし、これまでに得た現地調査のデータと合わせた分析を行っていく。また食のグローバル化をテーマとした2つの国際共同研究プログラムにおいて、それぞれタイを事例とした章の執筆依頼を受けているため、前年度に実施した現地調査のデータを活用し、今後出版に向けた準備を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス拡大のため、3月に予定していたタイにおける現地調査を実施することが困難になったため、1回分の旅費が未使用となった。今後は、新型コロナウィルスの状況に応じ、2020年度中に現地への渡航が可能になるようであれば現地調査を実施する。渡航が難しい場合には、日本国内において入手可能な資料を収集、またSNSなどのインターネット媒体を通した聞き取り調査を実施するなどとし、これまでに得た現地調査のデータと合わせた分析を行う計画である。
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