研究実績の概要 |
最終年度も、新型コロナウィルスの影響で予定していたタイでの現地調査の実施が困難であった。そのため、日本国内から入手可能な資料の分析やインターネット媒体を通じた調査を行った。特に、コロナ禍における新たな調査の取り組みとして、タイ在住の研究補助者を通じたタイにおけるMSG消費に関する資料の収集を行った。具体的にはMSG生産者が発行する宣伝冊子や女性誌等におけるMSG関連の広告や記事を収集し分析した。これまでに実施した現地調査のデータと合わせて再解釈を行った結果、タイにおけるMSGの受容とその消費の拡大を理解するためには、味や商品価値など、MSGが持つ複数の側面から理解することの重要性が明らかになった。このMSGが持つ多面性に着目した受容・拒絶といった消費態度の理解は、継続課題とし、「グルタミン酸ナトリウム(MSG)消費の比較研究 (21K01086, 基盤研究(C)2021年度-)」において引き続き研究を進める予定である。 これらの研究成果は、公開研究会(オンライン)で発表したほか、論文(英語、日本語)として刊行した。また、タイにおけるMSGの受容過程に関する英語論文の執筆を完了しており、2022年度の出版に向けて準備中である。
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