研究課題/領域番号 |
18H05655
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田代 滉貴 九州大学, 法学研究院, 助教 (60825686)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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キーワード | 農業協同組合 / 農協改革 / 農業法 / 行政法 / 協同組合 / ガバナンス / 公私協働 |
研究実績の概要 |
研究一年目にあたる今年度は、日本における農作物の生産・流通システムの望ましいあり方を研究するための準備作業として、同システムにおいて重要な役割を果たしている農業協同組合の法的構造を検討した。具体的には、次のような検討を行った。 (1)まず研究の前提として、農業協同組合法の規定をもとに、そもそも農業協同組合がどのような組織なのかについて検討を行った。またその際、他の協同組合(例:水産業協同組合)との異同や、関連する法制度(例えば独占禁止法)との関係についても明らかにした。 (2)続いて、農業協同組合の歴史的沿革について検討を行った。具体的には、明治以降、日本において農業団体がどのように発展してきたかを概観したうえで、現在の農業協同組合がいかなる経緯で成立したかを分析した。 (3)さらに、農業協同組合が実際にどのような役割を担っているかを検討した。日本の農協の特徴として、一定地域において各種事業を総合的に担うタイプの農協の存在があげられる。本研究では、こうしたタイプの農協が各地域で実際にどのような役割を担っているかについて、検討を行った。 以上の分析を踏まえ、農業協同組合がどのような法的構造を備えた団体であるかについて、考察を行った。また、上記の研究を行う過程で、次年度検討する予定であった「望ましい農作物の生産・流通システムを確立するうえで各アクターがどのように役割分担を図るべきか(とりわけ、国家・地方公共団体と農業協同組合がどのような関係を構築すべきか)」という問題についても、一定の示唆を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、当初予定していた計画に沿って、農業協同組合の法的構造に関する研究を進めることができた。またその成果については、次年度に論文として公表する目途が立っている。以上のことから、研究はおおむね順調に進展しているものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度もまた、当初の計画に依拠しつつ、次の研究を行うこととしたい。 (1)農業協同組合の法的構造に関する研究。その際、今年度の成果も踏まえつつ、当該研究が行政法学上いかなるインパクトを有するかについて重点的に検討を行う。 (2)農作物の生産・流通システム全体に関する研究。本研究の総括として、当該システムのあり方について一定の視座を示し、論文ないし研究報告という形で公表することを目指す。
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