本研究の目的は、オランダに居住し、トルコに出自を持つクルド系住民第2世代が、トルコのクルド政党であるクルディスターン労働者党(PKK)が展開する 「クルド・ナショナリズム」に共感する要因と、彼/彼女たちが PKK関連組織の活動に参加する契機を明らかにすることにあった。ノン・エリート層の第2世代がPKKに共感し、関連組織の活動に参加する背景として、トルコでの政治状況や、オランダにおけるトルコ系住民との緊張関係に加え、オランダ社会で相対的に低い社会経済的地位に留まるという経験が、第2世代の目を自身の出自に向けさせてきた可能性がある。
|