日本においては、証券取引所の要請に応じてほぼ全ての上場会社が次期の売上高や当期純利益の予想値を公表しており、これは諸外国においては観察されない特徴的なものである。本研究はこのような制度的環境に注目して、資本市場における経営者予想開示の役割を明らかにしており、先行研究において議論されてきた経営者予想開示が担う役割について新たな知見を提示している。このような知見は、日常的に企業が開示する業績予想を評価する必要に迫られる市場参加者にとって有用であり、ひいてはより効率的な株式市場の形成に資するものと考えられる。
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